人間には窓が必要である
「人間には窓が必要である」
文字にして書いてみると哲学的なタイトルになってしまいましたが、特に深い意味はありません。読んで字のごとく、人間には窓が必要という事に気付いたというお話です。
2008年、気付けばもう8年も前、小学校一年生だった子が中2になってしまうほど前ですが、僕にとっては昨日の事のよう、学生ビザでニューヨークに住み始めた当時ニューヨークでの家の探し方も良く解ってなかった僕は、ドミトリーに宿泊しつつ日系の掲示板を見て家を探していました。
大体のネイバーフッドの雰囲気、地域や広さなどと比例する家賃相場、今では当たり前のように感覚でわかる事も当時は本当に何もわからなかったので、とりあえずハーレムかブルックリンで探し始めました。
今ではブルックリンにも沢山友達がいますが、その当時はハーレムからアップタウンにかけて仲の良い友達が多かったのでハーレムが第一希望だったのですが、ハーレムはもう高いという話を友達に聞いていたのでブルックリンに絞って探すことに。
こうして今となっては日本でも皆ネッツのキャップを被っていたり、Brooklynなんて書いたTシャツを当たり前のようにみる、あの皆が憧れるブルックリンに、
「なんだよ、ブルックリンかよ(ハーレムが良かった)」
みたいな気持ちで住み始めました。(笑)
とはいえ、当時はブルックリンと言えどもネイバーフッドによって雰囲気が全然違うという事すら解ってなかったので、掲示板でブルックリンで見て、一番安いところにとりあえず決めました。
選んだ場所は9th Aveという駅でチャイニーズの人達が多いネイバーフッドでした。
その部屋は500ドルで電気代やインターネット全て込み、4じょうぐらい、二階建てで1階に5部屋、2階に5部屋あり、トイレと風呂はそれぞれの階に1個。
今考えたら「オーナーが何もせずにお金を稼ぎ続けるために無理やり仕切って部屋数を多くした建物」という劣悪な環境。更にこの部屋には窓がありませんでした。
「この部屋には」というか、むしろ部屋というより若干広めの物置スペースにベッドと机だけ置いてあるイメージです。
窓がないのが気になったものの、ドミトリーぐらしを長く続けるわけにはいかなかったし、若くて無知だったという事もあり「まぁいっか」といった感覚で住み始めました。
住み始めて、一週間としないうちに思いました。
「人間の生活には窓って必要なんだな」
と。
それまで日本で窓がない家に住んだ事がなかったので、当たり前にある窓の重要性に気づけませんでした。
窓がないと当たり前ですが、起きても朝なのか夜なのかも解らない。家にずっといるとどのぐらい時間が経ったのかも解らない。一週間たった頃には体調を崩していました。心も沈んでくるし、これはまずいと思いすぐに次の家を探し始めました。
しばらくして良い物件が見つかり、その後5年間ずっとそこに住みました。
この窓がない激安物件、ニューヨークではたまにあるのですが、僕は友達にいつも伝えるようにしてます。
「窓がない生活は想像以上にキツイ。人間には窓が必要である。」
と。
じゃ、そういうことで。
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