食器から見る日本の食の奥深さ

食器から見る日本の食の奥深さ


私は完全に日本食ばかりでもなく、欧米食ばかりでもありません。半々くらいかと思います。

日本食と言ってもバラエティが多いですが、いわゆる伝統的な日本食は一食の中にも色々なお皿を必要とすることは大きな特徴だと思います。


例えば、コース料理などは別として、たいていの料理は一皿の大皿に1種類または、何種類かのおかずが一緒に乗っていることが多いように思います。



日本食だと、当たり前のように思っていましたが、写真で見ると皿数が多い。。



これは1食の中に、塩味のものであったり、酸味、甘味、辛味など色々な味を楽しめるように、また、茹でたり、蒸したり、焼く、炒める、揚げるなど色々な調理法も楽しめるようにという工夫が日本食の中にあるからではないかと思うのです。さらに、日本独特と感じる文化の一つが食器の楽しみ方です。色々な形のお皿があり、様々な色、柄のお皿が日本にはあります。そしてそれらのお皿と料理の組み合わせ、その他のお料理、お皿とのバランスなど色々なことが考えられているのが日本食の個性だと思います。


以前陶芸を習っていましたが、陶芸の先生がふと言った言葉が印象に残っています。

「この食器は見た目は個性的だし、料理を良く見せるかもしれないけど、重ねられないから収納が大変なんだよね」


誰かの作品だったので写真は別のものになりますが、その時の作品はこのような感じの取っ手付きの小鉢。



日本には本当に色々な食器があり、その分、料理の映え方、見せ方、工夫を考えると本当に奥が深い食の文化だと改めて思います。


欧米をはじめ、多くの国が大きな丸皿にどかーんと盛られてきます。

サーブをする方も、このお客様にはこれ、とわかりやすく、運びやすく、片付けやすいのではないかと思うのです。

それにひきかえ、日本食だと、このお客様にはこれを出して、小鉢はこれでメインはこれで、と複雑で且つ運ぶのも大変、下げるのも大変、洗うのも片付けるのも全てが大変なように感じます。


馴染んでしまった私たちには、それは普通のことに過ぎませんが、それは古くからの日本の「おもてなし」の心と大きな関係があるのではないかと思うのです。そして、それを「当たり前」と思っている日本人だからこそ海外の方から見たら、こんなすごいことが当たり前だなんて!!!という驚きになるのではないかと思います。

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