海外での葛藤
海外生活で学んだことや今の生活にはとても感謝している一方で、私がよく直面する葛藤があります。
それは、短期滞在者として、そう思われることやそう扱われることを当たり前に受け入れること。
もう一つは、長期滞在者というか、現地のオーストラリア人たちと自分を同じ土台で見て、生きていくということ。
私はこの両方を行ったり来たりしながらいつもどこかで葛藤しています。
こっちでちゃんとした仕事をしていたり、滞在が長くなると自分自身を短期滞在者のように扱われることに不満がありました。私は旅行者ではない、ちゃんと仕事もしているし、言葉だって仕事で不自由しないし、文化だって生活だってだいぶ慣れてきたのに、短期滞在者のように扱われることは、先に述べたようなことを否定されたような気持ちになったものでした。
反対に、現地の人と肩を並べてやっていくと、今度はやはり言葉の違いや文化を知らなかったり、そういったところからどうしてもある種の「差」を感じざるを得ない場面に直面するのです。自分はなんてできないんだろうと悩んだり、自分はこの国でちゃんとやっていけるのだろうか、日本の方が自分の能力を活かせるんじゃないかなど自分を卑下することが多くありました。
過去形で話しましたが今でもこの葛藤と常に戦っています。
旅行者ではない、でも現地の人間でもないそんな中間の存在な自分を感じます。
同じようなことを友人が言っていました。
彼女は台湾人の両親の元で台湾に生まれましたが、生後3ヶ月でオーストラリアに来たので、台湾人の見た目をした、台湾人両親に育てられたオーストラリア人なのです。
家庭内では台湾の文化、アジアの文化で育ち、学校や友人はオーストラリア。
彼女は英語は母国語ですが台湾語は母国語並みには話せないそうです。
彼女はオーストラリアと台湾(アジア)の間で葛藤があると言います。
言葉は話せてもオーストラリア人社会には完全には馴染めない。アジアの家庭で育ったからやはり違うのだと言います。かといって、台湾語が完全に話せないので、台湾人コミュニティでも馴染めないそうなのです。
言葉が出来て、文化も知っていて、30年近くこの国で育っていても、西欧文化とアジア文化は違うし、アジアに対する差別がないわけではないと言います。難しい問題です。
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オーストラリアは今では「住めば都」「第二の故郷」と思ってはいるけど、うまくいかない時に、打ちのめされること、あります。
ご友人の台湾人の方が30年住んでも、その葛藤があるということは、これ永遠に続きそうですね(笑)その間で、バランスのいいところ探したいな~と思いました。