今回は私の高校留学ライフにフォーカスします!
クレイジーで予想外な生活でした。
私は関東生まれ関東育ち。夏休みに田舎の祖父母の家に行く以外は都会の学校で部活に精を出し、電車のラッシュに毎日揉まれ、両親のもとでぬくぬくと、楽しいけど毎日変わらぬ生ぬるい生活を送っておりました。
そんな当時16歳の私がカナダに行く決心をし、ある留学機関が私を送った場所は…
北オンタリオのさらに奥の、人口600人の小さい小さい町。
受け入れてくれたホストファミリーは、子供9人、片親ママの10人家族。
家族のお家は、小さな農場にある5階建27部屋の大豪邸。
しかもこのお家、ほとんどの部屋は家族みんなで建てたというのだから驚き。
昔は電気も水もここには通ってなかったから自分たちで引いたそう。
農場にいる動物たちは、馬8頭、牛6頭、ラマ1頭、ニワトリ約80羽、羊1匹、ヤギ3匹、犬2匹、猫たくさん。
庭には池があり、森もあり、大きな洗濯物干しのヒモが張ってあって、動物の餌の干し草のロールが転がる。
日本にいたときには見たこともなかった風景が日常に。
そんな、全部が違う環境に慣れる暇もなく、カナダでの新学期が始まりました。
ありがたいことに、ホストシスターブラザーのうち3人が同じ高校に通っていたので友達作りにはそんなに苦労しませんでした。
新学期に取った授業は English, Woodworking, Career/civics, Musicの4つ。毎日同じ科目をとります。
Englishのクラスではシェイクスピアを読んだり、英語の物語では一番古いと言われているBeowulfを読んで、チャプターごとに班でプレゼンをしたりしました。
Woodworkingは工作・技術といった内容ですが、さすが田舎の国。やることのスケールが違います。
クラスで、町に寄付するための小さなお家のようなシェルターをみんなで作りました。
Careerは将来の仕事について考える、みたいな内容で、civicsは公民です。
一番好きだったのはMusicのクラス。吹奏楽のようなスタイルでみんなで吹きますが、みんなあまり経験がないのでちゃんと曲にはなりきりませんが、それでも楽器を吹くのは楽しかったです。クラリネットを吹いていました。
友達作りには苦労しなかったと言っても、同じクラスに兄弟たちがいたわけではないので、クラス内ではもちろん自分から行動しなければいけませんでした。
でもこの高校、やはり田舎の、みんな小さい頃から知り合い、みたいな学校なので、すぐに噂は広まり、知らない子に話しかけても「○○のところに住んでる留学生の子でしょ!」とすぐにフレンドリーにみんな話してくれました。
しかも、私はその学校(たしか)史上初のアジア人だったので、ものすごく目立ちました。
もちろん、最初はあまり英語話せませんでしたし、自分の言いたいことが言いたいように言えなくて辛い時期もありましたが、おめでたい性格なのであまり覚えてません(笑)
でも覚えているのは、クリスマス休暇明けから、なんとなく自分の思い通りにそれとなく近い感じにことが進むようになったこと。冬休み中はホストファミリーとずっと一緒にいて、ホストファミリーとはいい関係で、ずっと話していたこともあったので、英語に対する自信が徐々に増えたのだと思います。
日本のような部活がなかったのが一番辛かったです。スポーツチームはあるのですが、うまくないと入れません。
だから学校が3時に終わるとスポーツチームに所属している子以外みんなスクールバスでお家に帰ります。
私の場合スクールバスを逃すと20キロ以上高速道路を歩かざるを得なくなります。
放課後は友達の家に遊びに行くこともありました。もちろんスクールバスで直接行きます。帰りは送ってもらうか迎えにきてもらいます。
こんなとき、日本の電車がとても恋しくなりました。いつでもどこにでも一人で行ける。しかも免許証無しで。
もちろん農家の家庭だったので手伝いもしました。
あまり本格的なことはできないので、家の掃除(広すぎて大変)や、冬は火起しと薪拾い、卵を取りに行ったり、馬のブラッシングをしたりなど。
たいていは、ホストブラザーやシスターが仕事をしているときの話し相手、ぐらいなものですが(笑)
2学期目には取っている授業の中にGym(体育)のコースがありました。
この授業、ただの体育ではありません。
冬には雪山で手作りの小屋(ブルーシート以外は自然のものしか使えない規則)で一晩明かしたり、夏が近づいてくるとヒューロン湖にカヌーしに行ったり、湖に点々と浮かぶ岩の島から水の中で飛び込んだりするようなコースです。
私にとっては初めてのことばかり。みんな面白がってました(笑)
ある先生からのすすめで、昼休みに週一で「今日の日本語」というアナウンスをすることになりました。
友達2人とアナウンスを作りました。チョイスは二人が面白いと思ったもの。
一番ウケがよかったのは動物の鳴き声シリーズです。(カエルとニワトリが好評)
それを聞いて、話したことがあんまりないような子でも話しかけてくれるようになったりしました。
友達との会話の中でいかに自分の流れに持ってくか、いかに笑いを取れるかが、みんなが輪に入れてくれる重要な鍵です。
そりゃ難しいです。でも英語があんまり話せないからこそできることがあります。
分からない単語を聞くのです。
ただ、チョイスは重要です。
3ヶ月くらい経つと、どんなところに出てくる単語が普通の単語で、スラングで、汚い言葉で、などがなんとなくわかるようになります。
尋ねるのは、スラングと、汚い、というかあんまり口に出すべきでない言葉です。
実際、日本では悪口にはなり得ないような言葉が英語では罵倒する言葉になるので、全然意味が最初はわかりませんでした。
そこでバッチリきめましょう!そしたら完全にみんな大笑いで、喜んで教えてくれます。
これが一番いい方法、なんて言えませんが、後になってもみんな、「このときMariあんなこと聞いたよね〜超おもしろかった」など覚えててくれます。
私の学校が全然英語話せない人と話したことのない人が多いからかもしれませんが、みんな笑うことは間違いなしなので、クリーンなイメージが取れてもいい人は実践すると、みんな聞かなくてもいろいろ教えてくれるようになります。
もちろん当時は狙ってやってたはずないので、それが面白かったのかもしれませんが、私自身も覚えている会話はこんなことばかりです(笑)
そして忘れてはいけないのはプロム。(日本になくて本当によかった。)
男の子が女の子に一緒に行こうとお願いしたり、女の子がドレス選びに命をかけ、当日までみんなソワソワし、周りとの温度差に萎えて、割と私は楽しみではありませんでした(笑)
私のデート(相手)は友達の女の子でした。メジャーではないですが、デートなしの子もけっこういます。
プロムキング・クイーン、聞いたことあると思うのですが、まあ、ミスコンのようなものです。
かわいい・かっこいい、と思った子の名前を書いて投票し、一番票が集まった人がキングとクイーンになり、ティアラが贈られ、二人はみんなの前でダンスをします。
生粋の日本人の私はダンスなんてよさこいしかやったことないし、ましてスローダンスなんて映画でしか見たことなかったので、ロマンチック系な音楽がかかったときには”kill me”って感じでした。
そんな私、恥ずかしながらプロムクイーンになりまして、ダンスを披露するはめに。本気であの3分は長く感じました。
でも相手の男の子が私をターンさせたときに、みんなが盛り上がったので、自分の中では合格です。が、かなり恥ずかしい思い出です。
私のホストファミリーは行事大好きだったので、クリスマスはニューイヤーはたくさんのご飯やクッキーを作って、夜中までテーブルを囲んだり、家の中の飾り付けをしたり(クリスマスツリー計7本)、サンクスギビングのときには、お家で飼っていた七面鳥を前日に絞めて丸焼きにしたり、ものすごい気合入っていました。
そうそう、ホストファミリーは農家なので牛や鶏を育てて自分たちで食べます。
彼らが動物たちを殺すのを私は見てきましたし、手伝いもしました。(皮をはいだり、など)
嫌な人もいると思うので詳しくは書きませんが、ここに来ていなかったら絶対にできていな体験でした。
けっこう絞めるのって時間がかかるものです。私たちはスーパーでぱぱっと買ってしまいますが、そこまでの工程はよく知らなかったので、知れて本当によかったです。「本当にさっきまで生きていた命を頂いている」と実感しました。
私は週一で料理の当番があったのですが、来たばかりの9月に、親子丼を作りたいと思い、鶏肉があるかどうか聞きました。普段は冷凍のがあるのですが、その日はちょうどなく、2個下のホストブラザーが「Would you like a fresh chicken?」と言ってきたときには(まだ絞める手伝いもしてなかったときでしたし)NO!と言ってしまいました。若かったです私も(笑)
もっともっといろいろ書けるのですが、他のことは他の留学生と似たようなことだと思うのでここで終わりにさせていただきます。
私のした体験が、カナダに行ったらできるわけでは決してありませんが、留学すると日本では絶対にありえないことがたくさんあるので、いっぱい得るものがあります。
特に高校留学はホストファミリーもいるし、「守られてる感」があるので、大学留学より責任感は少ないし、安心です。それに実際にその国の家族がどう暮らしているのかが直にわかるので、高校留学は本当に私にとって価値のあるものでした。
長くなりましたが、読んでくださりありがとうございました。何か質問があれば遠慮なく聞いてください!
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A City Girl in the Middle of Nowhere
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