病気になるその前に、何か起こるその前に

病気になるその前に、何か起こるその前に




私は現在、自然療法というものを学んでいますが、原則があり、そのどれもが私の目指すところとドンピシャだと勉強し始めた頃感じていました。もともと病院で管理栄養士をしていましたが、患者様の多くは50代以上の方で、すでに糖尿病と診断された方を中心に、すでに「病気」になってしまった方が対象でした。栄養士を目指したのは、身近な人、家族や友人たち、しいては一般の人々にとって親しみのある栄養や食事について相談できる人になりたいと思ったからでしたが、日本でこのエリアを目指していくと管理栄養士という道がその当時一般的でありました。


結果、管理栄養士になれ、好きなことを仕事にすることはできましたが、ある時、いったん病気になってしまってからでは、すでに症状が出始めていますし、私がしたかったことと少し違っていることに気づきました。症状が出始める前に、もっと若い世代に働きかけをしていきたいと思うようになりました。


食育という考え方は非常に素晴らしいと思いますが、その当時私は20−40代の方、その当時の主な患者さん層より少し若い世代に働きかけたいと思いました。管理栄養士として、保健所や企業の健保といった働き方もありましたが、英語を使って他国の栄養学についても興味があったこと、予防医学の方に重点を置くこと、そういったものを調べているうちに自然療法という分野を知りました。


その当時の日本で自然療法を学べる大学などはなく、個人が教えるもので、その時の私は、それは日本ではしっかりとした学位でまたは団体でないと、そこで学んだことは趣味の範囲程度としての認識を超えることはできないかなと感じ、その分野を学ぶためには海外に出る必要があると理解しました。


日本ではその分野は、管理栄養士・栄養士がメインとなりますが、どう思い出しても大学のカリキュラムの中で自然療法、健康人に対する予防、その働きかけに対する科目や講義が充実していたとは思えないのです。食品学や給食管理、衛生などそういった科目が多かったように記憶しています。


私は最終的にオーストラリアを選びましたが、オーストラリアには大きく分けると3分野あり、①管理栄養士(主に、食品学や臨床栄養学)、②栄養学(よりナチュラルというか健康的な食事)、③自然療法学となります。私が興味があったのは②の栄養学(患者ではなく健康人を相手にしたい)と③の自然療法学でしたが、悩んだ結果選んだものは日本では学ぶことのできない自然療法学でした。決定するまでに色々調べましたが、私が目指したいところと自然療法学の原則の部分が一致していたことが大きな決め手になりました。


その原則とは、

1、自然の癒す力を信じ、利用させていただくこと

2、原因を特定し、それを取り除くこと

3、症状や病気だけを見るのではなく、その人全身、全体を見ること

4、害のないこと

5、教えるという立場のため教育者でもあること

6、予防


すべて管理栄養士時代に、私の中で育っていったものをクリアにして学び直す、形にすることが今していることになります。特にこの予防ですが、例えば、ストーカーがいる女性がいるとして、毎日メールが来て、変な人につけられる。誰かが自分をいつも見ているような気がする、それでも実際に何か起きていなかったら警察から守られることはありませんでした。(現在はそういったことによる被害が多く発生し、未然の段階でよりケアされると思いますが)


何かあってからでは遅いのです。


病気だって、何かあってからでは遅いのです。

例えば糖尿病、昨日まで普通で翌日から急に糖尿病ということはありません。

がんだって同じです。脳卒中などであれば急と感じるかもしれませんが、体内ではじわじわと動脈硬化が進んでいたり何かしたら起こっているのです。


めまいがするな、疲れやすいな、そう思って病院に行って、貧血の検査を受けたとします。結果、通常範囲内の貧血よりのところにいたとします。おそらく貧血気味と言われ、簡単なアドバイスを受けると思います。結果、めまいや疲れは解決はしません。数年後、その貧血気味は貧血となり、鉄分を処方されるかもしれません。めまいや疲れは改善するかもしれません。ではその間の数年間、疲れやすさ、めまいなどのあまりハッピーではないコンディションで過ごしていることと、貧血気味の段階から適切な対応を取っていくことで数年後、むしろ貧血にならずに済んでいたら、その数年間の生産性や、質はどれだけ違っていたのでしょうか。


大きな問題から小さな問題まで、どうしても他国の影響か、黒か白か、病気かそれ以外かで、病気と診断される寸前の病気ではない段階はどうしても軽視されているのが日本の現状のように思います。何か起こるまで何もアクションがない。ストーカーの場合と同じように、何か事件が起こっていなくてもそこには嫌な何かが起こっているのです。そこに介入していきたいというのが私がしたいと思っているエリアです。


健康な時は、健康について考える必要がないので考えないかもしれませんが、特に頑張り屋さんの日本人の方には自分では普通だと思っている健康状態が、実は健康ではないけれど頑張っているうちに慣れて普通だと思っているということがよくあります。でも何が健康な状態なのか、それもよくわからなかったり、じゃあどうしたら良いのか、何に気をつけたらいいのか、健康だったらそれを維持するためにはどうしたら良いのか、全て分かった上で健康であればそれはそれで、そういったことを通して、私が今学んでいることが20−40代の働き盛りの世代の人がより元気はつらつとより高い生産性、創造性などで充実した時間を過ごせることを仕事にするだけでなく、こういった場面でも良い情報提供ができればと思います。



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美意識、何を食べるのが幸せか、どう生きるか、人の好みは人それぞれ
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