海外生活の中で感じた「生き方」の多様性
ニューヨーク3カ月、トロント1カ月の滞在を経て、帰国まで残すところ1カ月半を切りました。こちらへ来る前は半年という期間はとても長く感じられたのですが、実際に来てみるとやはり時間というのは瞬く間に過ぎていくものなんですね。
とは言っても、海外で暮らす日々は1日1日が濃く感じられ、振り返ると、短いような長いような不思議な感覚です。
今回はこの4カ月の海外生活の中で感じたことを少しお伝えできればなと思います。
まず、自分自身が感じたことをつらつらと述べる前に、先日お笑いコンビ「ピース」の綾部裕二さんが活動拠点をニューヨークに移すという電撃発表について触れたいと思います。
ピースといえば昨年相方の又吉直樹さんが小説「火花」で芥川賞を受賞し話題になりました。そのため、相方の綾部さんはどちらかというと又吉さんの受賞フィーバーの陰に隠れた存在になり、相方をサポートする秘書役として自虐ネタでメディアに出ていた印象があります。
しかし、今回綾部さんがニューヨークに活動拠点を移すという電撃発表を受けて、綾部さんがレギュラーで9本も番組に出ていたことを知り、驚いた人も多いのではないでしょうか。相方のおかげでテレビに出れているのではないかと思っていた人も恐らく多いでしょうが、実は自身の力を持ってして、数多くの番組でレギュラーをこなしていたのですね。
先日の「ダウンタウンなう」の中でも又吉さんが、「一緒にコンビとして活動を開始して以来、たぶん彼自身(綾部さん)今が一番忙しい」とコメントしていました。
噂では年収4000万円という報道も流れていましたが、憧れのアメリカでの挑戦において、全てのレギュラー番組を降板し、身一つでニューヨークへ行くとのことです。
しかもアメリカ挑戦のきっかけは各報道番組や自身の会見を聞く限りでは、「一度でいいからレッドカーペットを歩きたい」という理由なのだそうです。
この報道を見聞きして、きっと多くの人が心の中であいつバカなんじゃないか、もう40近いいい歳のおっさんが何を戯言言ってるんだ、と思ったことでしょう。
その他にも、日本で行われたある試写会で、レッドカーペットをトム・クルーズの後ろにくっ付いて歩く機会があり、そのときにトム・クルーズと目が合い、「おまえもこっちに来いよ」と言われた気がしたというエピソードも話していて、まあ普通にこの話を受け取れば、本当に痛いやつだなと感じますよね笑 しかしながら、現在海外で生活をしていて、僕自身の感覚が海外に影響されているのかわかりませんが、この報道を受けて、何だか胸が高鳴りました。
なぜなら、海外で生活していると人の数だけ生き方があると感じられるからです。日本で暮らしていると、何となく敷かれたレールの上で、何となく模範的な生き方というのも決められているような気がしてしまいます。
さらには、年齢というのも大きなハードルと感じられ、年を重ねてから新しいことに挑戦することは難しいことだという意識が蔓延しています。もちろん、それも一理はあるのですが、日本ではこのステレオタイプがより強く感じられるのは事実だと思います。
しかし、海外へ来て実感したのは、この日本人特有のステレオタイプに苛まれている人が少ないということです。年齢に関していうと、日本に比べ、その意識や関心は本当に低いです。まず自己紹介をする際に年齢を聞かれることはほとんどありませんし、むしろ、何回か会って話すような仲になったとしても年齢については聞かれなかったりします。反対に、自分の年齢を相手に伝えて、たとえ相手が一緒の歳だったとしても、同じ年代の話で盛り上がることも少ないです。
日本の場合、会って間もない人、目上の人には敬語を使わないと失礼になってしまうという言語的な文化の違いが大いにあり、その人の年齢とバッググラウンド、職業、結婚の有無などを照らし合わせてその人を判断する傾向もありますよね。けれど、海外だと子育てが終わってから、もう一度勉強するために大学に入る人もいれば、突然何を思いたったのか、自分のカフェを開きたいと思い、仕事を辞めて、海外へバリスタの修行に出てしまうおっちゃんなど、本当に人の数だけ生き方があるなと感じます。
皆が皆そうではないのでしょうが、とにかくフットワークの軽さには驚かされます。たとえ家庭を持っていたとしても。。
ここで綾部さんの話しに戻すと、綾部さん自身は既に日本の芸能界では成功していて、海外での活動資金も蓄えとしてあることでしょう。なので、僕は今回の件に関し、無謀な挑戦とは感じませんでした。むしろ、他人が聞けば、子供じみた夢に聞こえてしまう大きな夢を大の大人が真面目に語る(これもネタなのかもしれませんが)姿を見て、自分もこれから年を重ねていく過程の中で、少年みたいな夢をいつまでも抱き続けられる大人でありたいなと思いました。
結局は他人に何を言われようが、どう思われようが、自分の人生は自分で決めるものだし、自分自身で作り上げていくもの。
変なプライドにとらわれて行動できないくらいなら、どこまでも馬鹿なフリしてチャレンジできる人生の方が個人的には魅力的だなと感じます。
ただ、何事もバランスだとは思うので、あまりにも周囲に影響されすぎて、行き過ぎてしまうのも違う気がするし、自分らしくもない気もするので、たまに立ち止まって考えるのも必要なのかなと思います。
以上の話しを踏まえて、「より多くの人に自分のことを知ってほしい」という承認欲求を包み隠さず公言できる強さとそれを実際に実現しようとする行動力、さらには、今まで芸人として培ってきたものを活かせば、きっとアメリカのレッドカーペットを颯爽と歩く綾部さんの姿を見れる日も近いのではないでしょうか。
レッドカーペットを歩きたいかは別として、まずは僕も残りの滞在期間で、ハリウッドに通じる英語力を鍛えたいと思います。。。
ライター。宮城で生まれ育ち、大学から東京へ上京し、海外での滞在を経て、今現在は京都で事業を行なっています。「泊まる〜暮らす」の導線づくりをしています。
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海外にいる日本人は変わっている人が多いと言われることも多いですが、きっと枠に囚われない生き方が、日本の「当たり前」からすると驚きの連続なんですよね。以前の職場に1年語学留学していた学生さんは78歳でした!そんな生き方も素敵ですよね~
そうだよなー、と納得して読んでいました。
確かに、海外にいると、年齢とか人種とか本当にこだわらず、生きているのが、いくつになっても、夢を語っていいんだーと思いますよね。自分の人生、しっかりと生きていきたいと思います!!